木曜日, 10月 13, 2016

ジェフリー・ディーヴァー著「クリスマス・プレゼント」、久しぶりにディーヴァーの書を読んだ。16篇収められた短編集だ。最近の著者の作品は従来の切れがないが、この古い短編集は長編作に劣らず面白い。


水曜日, 10月 12, 2016

黒川博行著「大博打」、大阪を舞台にして、富豪な老人誘拐事件が発生し捜査に当たる大阪府警と犯人家族を巻き込んで身代金として犯人からの提示の金塊1トン余を巡りの攻防だ。著者な軽快な文体とともに最後まで飽きさせないプロット、余りにも使い古された誘拐というテーマは蘇る。


火曜日, 10月 11, 2016

百田尚樹著「カエルの楽園」、ナパージュという名のツチガエルの楽園がありました。ソクラテスとロベルトという別のカエルがナパージュにやってきて、楽園の様子を観察した物語となっています。楽園には山戒という、争わないという憲法がありました。ツチガエルはその山戒を最後まで死守しよとしてウシガエルに征服されてしまいました。著者の思想が凝縮した物語となっています。



月曜日, 10月 10, 2016

黒川博行著「煙霞」、高校教師2人と勤務する高校の理事長取り巻きのブローカらとの果てしなくスリリングな抗争が始まる。果ては、3億円を超える金塊100キロの争奪と読者を飽きさせない。高校の学園ものと思いきや、やはり著者の本領発揮だ。


日曜日, 10月 09, 2016

黒川博行著「悪果」、例によって、大阪を舞台にした刑事とヤクザの世界を超リアリティを持って描く作者の力量には、目を見張るものがある。警察内部は元よりヤクザの世界、殺人、賭博、シノギ等々読んでいて読者を飽きさせないリアリティがちりばめられている。


木曜日, 10月 06, 2016

黒川博行著「暗礁」、大阪を舞台にした破門に続くヤクザと堅気の主人公が絡む物語。ヤクザの桑原と主人公の掛け合いがたまらなく面白い。人間味とヤクザ特有の金に対する執念、抗争、血どこまでも裏社会をこんなにもユーモラスに描く作家はいない。


土曜日, 10月 01, 2016

池井戸潤著「陸王」、埼玉県行田市で足袋製造を営む「こはぜ屋」創業から100年もの歴史を持つ老舗だ。社長の宮沢は業務の販売の衰退傾向、先細り感は否めない。何か新しい商品の開発をと靴シューズに目をつける。それが、陸王の誕生になった。死蔵の特許権者を抱き込みシルクレイという新たな素材をソールにと開発し大手企業アトランティスに挑戦する。資金繰りや従業員の面倒等々小企業が抱える問題の全てを抱え込む宮沢社長の苦悩は経営者の実像で決して小説の中だけではない。そして新たな展開についてもやはり経営者の人となりだと思う。楽しく最後までページを繰らせる力のある作品だ。



トルストイ著「アンナ・カレーニナ」下巻、遂に破局を迎えるアンナとヴロンスキー、様々な葛藤や妄執の只中に暮らすアンナがとった最後の手段は自殺であった。アンナの自殺に至る心理は女性特有の妄想の中に只あり、愛という実態のない精神世界を見事に描いている。一方対比としてキチイとリョーヴィンの幸福な生活さらにリョーヴィンが、人生に苦悩し農事生活の中で信仰に目覚め希望を見出す。社交界やら苦悩、懊悩、不義不倫、愛とさらに戦争そして上巻でも指定したマルクスの唯物論的思想とまさに百花繚乱的小説であった。



トルストイ著「アンナ・カレーニナ」上巻、ペテルブルグでのアンナの生活の変化そしてヴロンスキーに対しての心情の変化は、遂に愛へと変化し不倫へと発展してゆく。この上巻の中で、リョービンの兄ニコライの発した言葉の中にマルクスの理論があったのは驚嘆すべき事柄だった。著者は「資本論」を読んでいたのか?とおもった。

黒川博行緒「破門」、大阪を舞台に主人公二宮と腐れ縁となったヤクザの世界を描く。シノギに汲々として暮らすヤクザの世界は、極道の非情さよりも何故か滑稽で愛着を感じる。人生どの世界も生きて行くって大変だなとつくづく思う。