日曜日, 6月 26, 2016

安部龍太郎著「等伯」下巻、信長亡き後家康の天下に至る等伯の生き様を描く下巻である。人の人生は家族親類縁者は下より多数のお蔭を持って生きながらえる。仏に寄り添い一心不乱に人生を生き抜いた等伯の人生は、生きることの悲しみと苦しみそして喜びを表現している作者に感銘を覚えずにはいられない。


土曜日, 6月 25, 2016

ディエケンズ著「デイヴィッド・コパフィールド」第二巻、伯母の庇護の下、カンタベリーの学校へ行くようになり、それから民法博士会の書記となり歩み彼の生活の変化と大人への階段を上る。ステアフォースを始めセイレム塾時代の旧友との再会や親交、そして胸もあり裂けるばかりの恋情と青春時代のコパフィールドだ。

火曜日, 6月 21, 2016

E・ブロンテ著「嵐が丘」上巻、イギリスの田舎に立つ屋敷それが嵐が丘だ。そこの主人が連れ帰った孤児ヒースクリフは、キャサリンに恋をする。彼が家を出た後、彼女は隣家の息子エドガーと結婚してしまう。故郷に帰った彼の失望は執拗なまでの彼女への恋の情熱と復讐を決意する。


ディケンズ著「デイヴィッド・コパフィールド」第一巻、ディケンズの自伝的小説と言われる長編大作だ。主人公デイヴィッドの誕生から幼少年期までの人生行路が描かれている。彼は、幼くして父を亡くし、その後母は再婚、同居のその義父と姉との執拗なまでの仲違いから始まり、遂にロンドンの学校へ寄宿生活さらに丁稚奉公として酒庫屋に。そこを逃亡して伯母トロットウッドの元へと多感な少年時代が綴られる。



月曜日, 6月 20, 2016

安部龍太郎著「等伯」上巻、能登七尾で生を受けた信春(等伯)が苦難の絵師として行脚を続ける生い立ちを描いた上巻である。信長の天下の下で様々な虐待に遭遇し堺の油屋に己を寄せ画に没頭する毎日を、そして妻を亡くし再び都に上り絵師としての道を浸すら追い求める等伯の境遇を描く。


木曜日, 6月 16, 2016

池井戸潤著「民王」、親父と倅が入れ替わるという奇想天外な発想、しかも親父武藤泰山は時の総理大臣で息子は就活している大学生という設定が実に面白い。政治家の前に人間としての生きて行く道を説き何が生きる上で大切かを教えてくれる。


木曜日, 6月 09, 2016

エラリー・クイーン著「ギリシャ棺の秘密」、1930年代の戦前の作品にしては、完璧なミステリー小説であるとともに、読者を楽しませてくれるどんでん返しもある傑作だと思う。捜査側から最終的な犯人が出るといった今では珍しくもないが、このプロットを丁寧に描写するクイーンの手腕に拍手せざるをえない。


ジャック・ケッチャム著「隣の家の少女」、ありふれた少年少女の牧歌的な風景とその生活描写から一転して恐怖の世界へ。隣家へ越してきた少女2人姉妹と私デービッドそして養母のルースによる地下室での虐待が開始される。悪を眼前で見ながら救うことのできない様を執拗に描くケッチャムという作家の卓越した視点だ。


水曜日, 6月 08, 2016

荻原浩著「噂」、都内目黒区で発生した、若い女性の連続殺人事件しかも死体から足首が切断されているといった猟奇事件に巡査部長小暮と警視庁名島が事件解決を目途に挑む。両刑事は片方小暮は妻を亡くし名島も一人息子を抱える身だ。この二人の関係そして事件の手がかりが一向に掴めない状況が続く。プロットとしては複雑ではないが、楽しませてくれるミステリー小説だ。


バルザック著「ゴリオ爺さん」、サマーセット・モームの言う「世界小説10選」の中に入る名著だと。パリを舞台とする貴族社会を背景に繰り広げる人生ドラマだ。父親の子供への限りなき愛、そして人生、若い学生の貴族社会への憧憬、落胆、愛と絶望、富と貧乏あらゆる人生を生き抜く途上で遭遇するテーマを網羅した名著。