月曜日, 4月 18, 2016

北山猛邦著「アリス・ミラー城殺人事件」大枠のプロットとして、地球規模の環境破壊を根底に東北の孤島に招待された探偵が、次々に殺害される。トリックを駆使して殺害される。しかも最後に残ったのは、招待されてないアリス本人だった。何故か今一しっくりこないミステリーだ。


貫井徳郎著「愚行録」は、特異なミステリーだ。一家惨殺事件を下に、インタビューワーが関連する人物の証言を披歴する。男性や女性の証言はたまた過去の生い立ち、学生生活等々。殺人ミステリーながら、人間の愚かさと儚さそして悲しさが伝わる正に愚行録である。


日曜日, 4月 17, 2016

島田荘」司著「占星術殺人事件」昭和初期、画家梅沢平吉と先妻、後妻の娘6人が惨殺される殺人事件が発生した。それから40年後一人の青年御手洗潔によって事件が解決するといった長編ミステリーだ。プロットは面白くページを繰らせる力量はあるが、読後今一すっきりしない。何故か?すべての細々としたすっきりと解決されて無いように思えるからだ。


金曜日, 4月 15, 2016

折原一著「倒錯のロンド」著者の作品を読むのは始めてだ。作家志望の貧乏青年が、安アパートで執筆した作品「幻の女」の著作品を巡り、殺人事件を絡ませ複雑な様相を呈していく。最後に青年が、精神疾患の患者だとどんでん返しを食らう。読者を欺く叙述トリックここにあり。


月曜日, 4月 11, 2016

カミラ・レックバリ著「氷姫」、彼女はスウェーデンのミステリー作家だという。まず思い出すのはスティーグ・ラーソンのミレニアムシリーズだ。作品の中核となる性的虐待が余りにも似ているため思い出した。ストックホルム郊外の小さな漁村フィエルバッカで起きた殺人事件、担当する刑事パトリックと作家志望のエリカの奮闘が事件の解決へと。


日曜日, 4月 10, 2016

我孫子武丸著「殺戮にいたる病」は、混沌とした現代社会とりわけ各家庭での暴力や性的倒錯を背景に殺人が発生する。そしてその病理は混沌錯綜して最後の最後まで犯人が不明となる叙述トリックを用いて読者を呆然とさせる。


貴志祐介著「青い炎」は、倒叙推理小説と言われる予め殺人事件の手の内を犯人の側からその巧みな心理描写と共に明らかにし最後にそのトリックを警察によって暴かれるというものだそうだ。主人公櫛森秀一は高校二年生だ。母が離婚した前夫が、彼の家に転がり込んで家族皆に心痛を強いるこのままでは、家族が破壊されると思った少年が、周到な計画の下に殺人計画を練り実行する。


水曜日, 4月 06, 2016

西澤保彦著「七回死んだ男」著者の作品は初めて読む。人生の一場面のシーンが反復するといった奇抜なプロットだが、主人公大庭久太郎の祖父の遺産相続を巡る骨肉の争いをテーマに反復の落とし穴を絡め殺人事件へと。過去を繰り返すというテーマは、面白い。

火曜日, 4月 05, 2016

東野圭吾著「虚像の道化師」、あまりにも有名な物理学者湯川博士の推理・ミステリーものだ。短編6編が収録されている。どれも気軽に読めるガリレオの世界を堪能できるショートミステリー集だ。



アン・クリーヴス著「大鴉の啼く冬」、彼女の作品を初めて読む。イングランドの北の果てにあるシェトランドは辺境の地だ。ここで少女に絡む殺人事件が発生する。シェトランドの住人の狭い地域ならではの人間関係、確執、嫉妬やらを根底に起きる殺人事件、ジミー・ペレス警部の追及がはじまった。犯人は意外にも同級生だった。


月曜日, 4月 04, 2016

ジョン・ダニング著「死の蔵書」殺人捜査官ジェーンウェイが、事件を追う。状況設定が古書や初版本のコレクターさらに掘出し屋を巡る事件だ。ジェーンウェイは遂に警察官を辞めて古書店を開業する。その店内で殺人事件が発生し、警官を辞めたにも関わらず事件を追う。様々なジャンルの書籍が紹介され、本好きには間違いなく楽しめるミステリーだ。


有栖川有栖著「双頭の悪魔」は、700ページにも及ぶ長編だ。四国は高知県の田舎木更村と川を隔てた対岸の夏森村で同時進行的に起きた殺人事件を江神次郎が解き明かす物語だ。少し冗長性は否めないが、プロットそして登場人物の描写が素晴らしく最後までページを繰らせる力を持っている作品だ。殺人の論理も妥当と思われる。