火曜日, 3月 22, 2016

島田荘司著「異邦の騎士」、記憶を喪失した青年の身に迫る様々な危険と向き合い必死に生きて行く姿がこの本にある。人生と愛儚くも何故か思い出して微笑むような人生の谷間に咲く一輪の花のような。著者の初作の本書は、プロットといい文章の力強さといい申し分ない出来だ。


ジェフ・アボット著「図書館の死体」久しぶりの洋ものだ。母がアルツハイマー病を患いやむなく故郷ミラボーの田舎に戻ったジョウダンの身に殺人の嫌疑がかかる。狂信者ベーターという女性が、彼の勤める図書館で深夜殺害された。田舎特有の濃い人間関係を主軸に殺人事件解決に向けジョーダンが活躍する物語だ。プロットもそれなり、まあまあ楽しめる一冊だ。


金曜日, 3月 18, 2016

乃南アサ著「暗鬼」が本書だ。著者の作品は初めて読む。東京のとある郊外の大邸宅に嫁いだ法子、そこに暮らす家族、そう家族がテーマだ。おどろおどろしい家族その中で迷い慟哭してゆく嫁法子の姿。家族とは何か?家族の闇が法子の全身を包む。サスペンスタッチの本書は何故かページを次々と繰らせる迫力がある。


火曜日, 3月 15, 2016

藤原伊織著「テロリストのパラソル」が本書だ。著者作品は初めて読む。40代中年のアル中が主人公島村そして友人の桑野、懐かしいことに60年代後半東大紛争、全共闘といった学生運動の描写がありしばし感嘆する。登場人物や状況設定プロットとそして恋愛まで絡ませ最後に小さなどんでん返しミステリー、ハードボイルドタッチな好著だ。


日曜日, 3月 13, 2016

横山秀夫著「動機」に収録された短編4作品は、どれも面白く日常に潜む人間の人生の無常というか不条理を描く。結末がどれも素晴らしい。


木曜日, 3月 10, 2016

倉知淳著「星降り山荘の殺人」何故か最終ページまで繰らせる面白さがある。秩父の山奥の山荘で起きる準密室といってもいい殺人事件。山荘の所有者の社長が、自分のコテージで殺害される。周りは雪原だ。残り8人の宿泊者の中にいると思われる殺人者を巡り、ミステリーサークルあり、登場人物の多彩な顔触れそして本格的なミステリーとして事件は思わぬ結論を引き出す。

「槐」月村良衛著。馬鹿馬鹿しくも面白い、そんなミステリーとは言えないが物語だ。中学生の夏休み、野外活動部の生徒達は教員の引率の下に湖畔へ。そこで事件は起きた。関帝連合のゴロツキ一味、さらにチャイニーズマフィアの息の掛かる蔡グループが40億円の金を巡り死闘を繰り広げる生徒たちは巻き込まれ絶体絶命のピンチ。そんな中、由良先生こと三つ扇槐こと国際テロリストのド派手な格闘により無時生徒たちは救われる。エンタテインメントそのものの物語だ。



火曜日, 3月 08, 2016

米澤穂信著「儚い羊たちの祝宴」が本書だ。短編を集めた作品だ。何故か江戸川乱歩とか横溝とか古い推理小説の毒々しさや恐怖感が根底にある、最近読んだ本の中では稀有な書だと思う。殊に「玉野五十鈴の誉れ」は圧巻だ。


月曜日, 3月 07, 2016

著者の作品は始めて読む。「ダックコール」という本書は、六篇の短編小説だ。ミステリーでは、無く野鳥やら水鳥やらが全編出現する異色のメルヘンチックな物語だ。男と鳥そしてそこにある人生の何たるか?背後にあるしみじみとした寂寥感を感じる。


木曜日, 3月 03, 2016

本書「ある閉ざされた雪の山荘で」、東野圭吾作品だ。演劇のオークションに合格した七人が、乗鞍高原のペンションに集めら、自分たちでストーリーを作り演じるという課題設定だ。しかし第一に目の夜から殺人が、そして翌日また一人と殺される遺体は発見できずに。。結末は、外部の人間の妄執がらみで解決する。今一腑に落ちない。


水曜日, 3月 02, 2016

本書「向日葵の咲かない夏」は、サイコ的ミステリーだ。主人公ミチオそして妹のミカ、両親、友人S君、泰造爺さんそしてトコ婆さんと少数な登場人物の中で起きる殺人事件をきっかけに、現実と非現実の狭間に揺れ動く人間関係を描写している。現実とは、生とはさらに人間とはを問う稀有なミステリーだ。



火曜日, 3月 01, 2016

本書「葉桜の季節に君を思うこと」は、主人公通称何でも屋が友人関係から様々な事件に巻き込まれてゆくミステリー的には今一だが、読後何故か爽快感がある。