水曜日, 11月 07, 2012


第58回江戸川乱歩賞受賞作だと。奇抜な発想とドストエフスキーの名著の続編ミステリーとしてのこの物語は正に秀逸で、もしドストエフスキーが生きていたら納得したかもしれない。「サトリ」やディーヴァーの「007」と比較しても抜きん出て面白いし、「カラマーゾフの兄弟」から類推できる展開も見事だ。


日曜日, 11月 04, 2012


ディーヴァー最新作だ。リンカーン・ライムやキャサリン・ダンスシリーズで無く単発ものだ。過去2、3冊もそうだが、今回も上々の出来だ。ウィスコンシン州の田舎ケルシャ郡の保安官補ブリン・マッケンジーが出会う殺人事件が端緒だ。ミシェルという事件に居合わせた生き残りの女性を連れて森の中を犯人から逃れるべく逃亡する。一昼夜の出来事を400ページも割いて表現するディーヴァーの手腕は流石だ。リンカーンシリーズみたいなどんでん返しやローラコースター的な結末はないが、これはこれでほっとした気分にさせてくれる。