日曜日, 3月 25, 2012


トレヴェニアン著「シブミ」下巻を読んで。
ケービングを趣味とするヘルの地底深く探検する様子が詳しく描写される。アラブの石油組織そして米国CIAも傘化に置く殺人組織マザー・カンパニーの追っ手が、ヘルに近づく。後半は、最後まで一気に読ませる迫力がある。著者は言う「賢明な人間は自分の望み自分の持ち物のレベルまで下げることによってバランスを保つ」とは蓋し名言だ。

トレヴェニアン著「シブミ」上巻を読んで。
書名にまず魅かれる。ウィンズロウ「サトリ」の原作が本書だ。ニコライ・ヘルの成長過程が上巻で記される。娼婦の元で生を受けたヘルは、日本軍上海部長の岸川大佐に回りあい「碁」を学ぶ、戦争で中国での日本軍の形成が悪化の一途を辿り、遂にヘルは岸川将軍の勧めで日本へと、碁士大竹七段の元へ日本での生活が始まる。戦前戦後を通して日本人の生活描写が良く表現されていて、ヘルが日本的なシブミへと到達すべく人生の目標設定がなされるまでが本書上巻である。

月曜日, 3月 19, 2012



梅原猛著「京都発見」(一)地霊地魂を読んで。
京都発見と題名の本書は、京都の案内書であるが観光案内とは異なり平安時代に数々の寺院が建立されその寺院を訪れ歴史的時代拝見を記した高度な京都案内書である。仏教の隆盛と相まって様々な寺院が建立され、その中に座す仏像そして仏師にも思いをはせ歴史的あるいは文学的に紹介している本書は読みごたえがありまた挿入されている写真も素晴らしい、京都を旅する時に参考にしたい一冊であると思う。



日曜日, 3月 11, 2012


マイクル・コナリー著「真鍮の評決」下巻を読んで。
事務所をリンカーン車に置くマイクル・ハラー弁護士によるミステリーは、いよいよ弁護活動の終末を迎え、新たな犯人像が浮かび上がるFBIボッシュ刑事との連携により遂に判事に辿り着く、予想外の結末だ。米国での裁判の陪審員は、日本の先ごろ始まった裁判員裁判との関連を考えると面白い。

水曜日, 3月 07, 2012


マイクル・コナリー著「真鍮の評決」上巻を読んで。
マイクル・ハラー弁護士によるミステリーだ。著者はミステリー界の大御所だが、初めて読む。友人のジェリー弁護士が死亡し、後釜として指名されたハラーが裁判に臨む。妻とその愛人2人の殺害容疑で起訴されたエリオットを回り、ハラーのチームが活躍を始めるまでが、この巻だ。

なかむらるみ著「おじさん図鑑」を読んで。
様々な世のオジサンたちの姿態を観察し図鑑に纏めた本である。イラストレーターである著者の本領発揮か。内容は良くあるオジサン達が良く観察されていてコメントも面白い。何故かこの本は文字サイズが小さくて、オジサンには読みにくい。

岩波邦明著「2ケタ×2ケタの暗算」を読んで。
TVでも紹介された2ケタ暗算が6時間でできるという本である。例のお魚プレートを使った暗算手法は斬新的でアイデアに富んでいる。後半のスペシャルプレートとなると少し無理があるように思える。いずれにしてもインド式の算数を日本で実現させる画期的な手法だと思う。