土曜日, 8月 22, 2009

綾辻行人著「迷路館の殺人」を読んで。

綾辻の「館」シリーズも4,5作目になるが、期待を裏切らない面白さがある。宮垣葉太郎なる作家の還暦の祝いに招待された館は例の中村青二設計によって建てられた迷路館なる屋敷である。招待された7人の中にミステリー作家が4人、そこで宮垣の遺言による4人の作家による遺産争奪推理小説コンテストが、行われることになった。しかし、その4人は次々と自分の書く小説のとおり殺されてゆく。この作は、小説の中に小説が
あるような設定になっていて、最後の最後まで犯人が特定できない面白さがある。

日曜日, 8月 16, 2009

エラリー・クイーン著「オランダ靴の謎」を読んで。

この著作は1931年の発刊であると、昭和7年の戦前のものである。この推理小説は、オランダ病院という院内での殺人事件をエラリーが謎をといて行く探偵小説である。既にこの時代に活躍していた日本人端艇小説家として横溝正史や江戸川乱歩らがあったと記憶する。初めて翻訳されたこの「オランダ靴の謎」は前者の日本人探偵小説家にとって衝撃的であったと解説してある。
読んでみて、ほとんど現代にも通ずるし古さを感じさせないトリックである。中篇には犯人探しを読者に挑戦する章もあったりして興味をそそられる。