木曜日, 4月 24, 2008

ジェイン・アン・クレンツ「甘く危険な島」を読んで

著者1983年の作品であるという。25年たった今でも古さを感じさせないロマンチック・サスペンスの傑作ともいえる作品である。南海の孤島セントクレアのパブ「サーパント」で一人ダーク・ヘイリーという男を待つ美貌の主人公エイミーとパブ「サーパント」のオーナーであるジェイスとの出会いがそして物語が始まる。著者の恋する男性の内面と女性の内面、心の変化を同時進行的に描写しながら物語は進んでゆく。エイミーの姉メリッサの下へ送られた謎の仮面の正体を掴むべく南海の孤島を訪れたエイミーが、ジェイスを始め島の人々との出会いそして、遂にヘイリーが出現する。適度なサスペンスというべきか読むものを厭きさせないテクニックこそがロマンチック・サスペンスだ。

木曜日, 4月 17, 2008

ジェイン・アン・クレンツ「優しい週末」を読んで

ロマンス&サスペンスの女王クレンツの作品「優しい週末」を始めて読んだ。ハリー・トレヴェリアンとモリー・アヴァウィックの二人のロマンスを中心にサスペンスが、絡むという設定だ。両家の争い、性格の全く違う二人が、愛に目覚める過程が、巧妙な語り口で綴られて行く。この本は一服の清涼剤的な読み物だ。読後はホームドラマの最後のようにハッピーエンドが待っている。訳者は癒しの一冊という。同感である。

火曜日, 4月 01, 2008

ジュリー・ガーウッド「心うち砕かれて」を読んで。

550ページにも及ぶ長編ミステリーだが、前、中編は、ややだるく冗長だ。後半の展開はスリリングで面白い。主人公ローランの実兄であり神父であるトミー元へ懺悔にやってきた人物が、妹ローランのストーカであることが判明、幼馴染のFBI捜査官ニックに相談し援助を請う。ニック・ブキャナンと成人したローランは再会し人目で互いに恋慕の抱く。その日以降二人はホリーオークス米国の小さな田舎町を中心に様々な危険に遭遇しながら、確実に愛を育んで行く。ローランとニックの心の変化、二人の愛への昇華のプロセスが見事に描写されて、読後のさわやかさを読者に提供してくれる。ロマンスが主題で、サスペンスを状況配置した作品である。(評価★★★)