月曜日, 6月 25, 2007

マイクル・クライトン「失われた黄金都市」を読んで

地球資源開発技術社通称ERTSは、世界各地の現在の状況をデータベース化し提供する会社である。様々な調査隊を編成し世界各地に派遣する。女性天才数学者のキャレン・ロスを隊長とする班は、ブルーダイヤモンドを探して旧コンゴ現ザイールの探査に赴く。ブルーダイヤは、コンピュータを飛躍的に演算処理速度を上げるチップに採用される可能性があるといわれている。この隊の編成は、アフリカ大陸をガイドとして何度も経験を積んだマンローと動物学者エリオットそして人間の言葉を理解し手話を使えるゴリラのエイミーが同行する。鬱蒼とした森林ジャングルの中で様々な困難に立ち向かう調査隊そして終に幻の都市ジンジを発見する。ジャングルそして調査隊が持ち込む様々なハイテク機器そして日欧合弁会社との覇権争いとゴリラの生態そのディティールを描くクライトンの筆致はこの上なく面白い。

日曜日, 6月 24, 2007

中西佐緒莉「海外でさっさと暮らせるようになろう」を読んで。

世界幅広く、リタイアメントビザを紹介しているこの手の本を読んで、感ずるのは大橋巨泉も言っているが、やはり行動力にあると思う。その地域、そして人とのコミュニケーションが第一である。と。その前提として資金力、つまり年金ということになる。またこの手の本のなかで感ずるのは、長期滞在はまったく必要がないのでは?と思うことである。3ヶ月間なら大抵どこの国でもビザなしで滞在できるし、日本の気候と行く先の気候を考えて3ヶ月おきに、違う国に滞在するといった方法が現実的でかつ効率的だ。手続きの面倒がない。1月から3月までをタイで、次に4月から6月までをマレーシアそして、オセアニアで日本には9月から12月といったサイクルで移動できれば。

J・Kローリング「秘密の部屋」を読んで。

終に、「秘密の部屋」を発見したハリーはダンブルドア校長の援助の下悪魔を叩き潰す。ハリー・ポッターシリーズ第2段「秘密の部屋」はホグワーツでの学校生活を主体にロン、ハーマイオイニーの親友とともに秘密を解き明かしてゆく。賢者の石から秘密の部屋への展開は見事で、作者の空想力なるもに感服だ。

火曜日, 6月 19, 2007

マイクル・クライトン「大列車強盗」を読んで

時代は1850年代、ビクトリア女王時代のイギリスはロンドンを舞台に物語は、展開する。主人公エドワード・ピアーは、クリミア戦争の英軍兵士の給与としてロンドンの銀行から列車で持ち運ぶ金塊を目当てに列車強盗を計画する。鍵屋を始め、名だたる悪人を部下にして計画した襲撃はうまくいくが、ひょんな事から事件は発覚し捕らえられてしまう。過去形を挟んで物語は展開する。マイケル・クライトンの卓越した表現は、歴史を細部にわたり調査し物語りにする。著者の類まれな才能には、ただ驚くばかりだ。

土曜日, 6月 02, 2007

マイクル・クライトン「サンディエゴの十二時間」を読んで

物語は、主人公の米国務省情報調査官グレイブスと犯人との頭脳線だ。機密情報をコンピューターから盗み出した極右翼の犯人は、神経ガスを強奪。1960年代後半というから、リチャード・ニクソン大統領の時代、中国との接近及び政策に不満を持つ犯人は、カリフォルニア南端のサンディエゴで共和党大会を開く当日大統領が現地に乗り込むその日に、爆弾と神経ガスで100万人の殺戮を企てる。これを阻止すべく主人公は、反生物化学兵器を提唱するノードン博士と仕掛けられた現場であるアパートメントに進入既に犯人は逃亡中に警察の非常警戒線に衝突し死を遂げた。心理作戦を強いられ爆発数分前に。。という後半は行き詰る頭脳線だ。SF探偵小説としても素晴らしい作品だ。「緊急の場合は」「スフィア」と比較してもこちらが断然面白い。

金曜日, 6月 01, 2007

マイクル・クライトン「アンドロメダ病原体」を読んで

 地球外生命体の細胞、ウィルスによる地球汚染に立ち向かう各分野の専門博士の組織するファイヤーグループを科学的に記述したこの本の著者、クライトンの卓越した知識は圧巻である。出版後既に20年を経過しているが、今読んでも新しいし、このような危機を実際感ずるところだ。