月曜日, 5月 28, 2007

J・Kローリング「ハリー・ポッターと賢者の石」を読んで。

世界28カ国に翻訳され800万もの読者を持つという「ハリー・ポッター」シリーズを初めて手に取った。賢者の石はビデオを見た。映像からくる面白さとは別の読書には訴えてくる訴求力がある。それは著者は、宗教の上でつまり神の意思を童話的ミステリーする素晴らしい才能を持っていると思われる点だ。命、愛、そして欲望、悪はたまた友情といった人間のなせる生きるための力がこの本に全てあるような気がする。(560頁)

土曜日, 5月 26, 2007

マイクル・クライトン「緊急の場合は」を読んで。

医科大学在学中にアルバイトとして書いて、アメリカ探偵作家賞に輝いた処女作である。物語は、主人公のジョン・ペリー医師仲間の中国系米国人医師アート・リー医師が中絶を巡る陰謀に巻き込まれ、事件解決リー医師の解放に向けてペリー医師が奮闘する探偵小説である。カレンという若い女性が中絶による出血で死亡する。ボストンで力のある医師J・D・ランドール一族の陰謀により事件は、何も関係ないリー医師がターゲットにされ犯人とされ投獄されてしまう。後半は徐々に犯人像に迫るペリーの活躍が中心となり、思わぬ展開が。アメリカ社会の中絶を巡る問題は、宗教とからみ賛否両論そしてクライトンは、本書の最後に医師あるいは医療と倫理の問題について言及する。(500頁)

金曜日, 5月 18, 2007

マイクル・クライトン「スフィア」球体 上下巻を読んで

実に多彩な能力を持つ著者には、ひたすら感心する。「スフィア」は地球外生命体の存在の可能性を持つ謎のの球体、宇宙船みたいな物体が南太平洋海底3300mで発見された。ノーマンジョンソン博士らが海底探査に向かう、主人公であるジョンソン博士は心理学、ハリー数学博士、ベス動物博士というその道の専門家で構成される調査団だ。球体は現実世界から50年後も進んだハイテクによる金属で包まれていた。宇宙のブラックホールを潜り抜け、海底に沈んだと思われる。謎の宇宙船のハッチを開け潜入した学者たちは、巨大な「イカ」の出現で次々と死んでゆく。宇宙船に入った者に、特赦な能力が備わることが解った。自分が思った事が現実になるという能力だ。著者は、人間の創造性について人間と他の生物を区別するものは、創造力だとする。道具を使えるとか言語が話せるとかではなく、他と決定的に区別されるものは人間の「創造力」だと。(660頁)

月曜日, 5月 14, 2007

マイケル・クライトン「タイムライン」 を読んで。

量子テクノロジーを駆使した時間飛行という物理学の概念を手段に中世フランスの14世紀中期との時空を超えた世界を見事に描写する著者のアイデアは特筆すべきものだ。クライトンのまた歴史観がすごい。宗教、殺戮、暗黒の時代と言われる中世史観を否定する。確実に現代に繋がるテクノロジー文明までもあったという。SF小説は、こう書くんだ、組み立てるのだという見本みたいな作品で、読者を飽きさせないエンターテイメント、脳裏に浮かぶ中世の世界を垣間見る歴史観と描写には脱帽だ。(720頁)

月曜日, 5月 07, 2007

ディスクロージャー を読んで。

マイクル・クライトンの著作を読むのは、初めてだ。「ディスクロージャー」は、美人で聡明な女性管理職メレディスと主人公サンダースのセクハラから端を発し、物語はシアトルのハイテク企業ディジコム社のM&Aが絡み複雑な状況を呈する。主人公サンダースは、会社を相手取り弁護士を介して訴訟へと意を決する。つまりこの物語は男性が女性にセクハラされる。という現実に米国であった話をヒントに組み立てられているという。有能な女性の野望と妬みが思わぬ展開を魅せ、後半は一気に読ませる迫力がある。(480頁)

水曜日, 5月 02, 2007

遂に出た「69」


先日、4月24日埼玉県児玉町の児玉カントリークラブにて、前半33で後半36で69という高スコアーを記録した。苦節25年余のゴルフ人生にして初めての快挙と呼ぶにふさわしい結果でした。かつ、ノーボギーというおまけ付、前半3バーディーは、1から1.5mに付けるアイアンの冴え、後半は、何度もバーディーのチャンスは会ったが、入らなかった、ことに490Yのロングで2オンしながらの3パットは、返す返すも残念だった。

数学的にありえない 上・下巻 を読んで。

アダム・ファウラーの小説は、今回が初めてだ2003年の処女作品だという。前半は、各々登場人物が紹介されてゆく、中盤から後半にかけて物語は一気に加速し正にジェフリー・ディーヴァー的ローラコースター的展開となってゆく。面白く、一気に読むのは勿体ないと思う。統計学、量子物理学など難解な理論を解りやすく解説しながら、サスペンスは展開される。主人公デーヴィッド・ケインは、ふとした切っ掛けで未来予知能力に目覚める。通称「ラプラスの魔」と呼ばれる予知能力。このケインを回り、トヴァスキー、フォーサイス博士が、ケインの捕縛のための、殺し屋を雇い入れる。FBIのナヴァという女性殺し屋と共同で、難関を突破してゆく。エンディングは、ヒューマンなものに行き着き、ほっとするという落ちが付いている。(640頁)